ここ最近では、毎週のように、少なくとも一社の自動車メーカーが、0-62mphの速度というとんでもないくらい速い電気自動車を新たに発売しているようです。スピードは、テスラ社が得意とするところでもあります。モデルS以上速い電気自動車は現れないだろうと思っていたら、イーロン・マスクが自動車のワープドライブに相当する最速モデルを新たに発表し、先行車の加速タイムをいとも簡単に更新してしまうのです。

今回は、現在発売されている、あるいは近々発売されるであろう最速の電気自動車を、0-62mph(または0-60mph)タイム順にリストアップしてみました。では早速、見ていきましょう!

 

  1. スピアリング(マクマートリー・オートモーティブ)

まずは、お金があっても買えない電気自動車、マクマートリー・オートモーティブ社製の「スピアリング」から紹介しましょう。一人乗りの小型電動レーサー「スピアリング」は、先日グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで、フォルクスワーゲン社製の「ID.」を見事に抑え、ヒルクライムの新記録を更新しました。R.マクマートリー氏によれば、このポケットサイズの1,000bhpのエクソセットミサイルは、0-60mph加速1.5秒未満、最高速度150mphを達成することができますが、これはクロスレシオヒルクライムギアを採用しているからに他ならないとのこと。グッドウッドにおいてこれほど優れたパフォーマンスが発揮できたのも、その鋭いスピードターンと、F1マシン「ブラバム・BT46B」に搭載されたものと同じ方法で作動する独自のダウンフォース発生ファンによるものだそうです。

 

  1. アウル(アスパーク)

技術系人材派遣会社のアスパーク社は2020年、”世界一加速の速い電気自動車”という大胆な謳い文句を掲げ、満を持して「アウル(Owl)」を発表しました。その後、同社の主張は本当だったことが証明され、「アウル」の0-60mphの速度は1.69秒であることが確認されています。ちなみに、あのフェラーリ社の最新ガソリンエンジン搭載のスーパーカーモデル「296GTB」は、同じ距離を3.0秒弱で駆け抜けるのを達成しています。

「アウル」は、64kWhのリチウムイオンバッテリーと4基の電気モーターで駆動され、合計出力は約2,000bhpとなります。軽量なカーボンファイバーボディと組み合わせることで、0-60mph加速1.69秒、0-186mph加速10.9秒を実現しています。最高速度は249mphまで出せるそうです。

アスパーク社によれば、「アウル」は1回の充電で280マイル走行できるそうですが、この小さなバッテリーでそれだけの距離を走るには、どれだけ穏やかに運転しなければならないのかが気になるポイントです。この燃費のよさは、滑りやすいボディと、伝説のフォード「GT40」よりも1インチ低いルーフラインのおかげなのかもしれません。

 

  1. ネヴェーラ(リマック・アウトモビリ)

「ネヴェーラ(Nevera)」は、クロアチアの電気自動車メーカー、リマック・アウトモビリ社が発売した2台目の車です。このモデルは、富裕層向けのおもちゃであると同時に、同社の技術の高さを広めるマーケティングとしての役割を果たしています。同社は、すでにアストンマーチン、ケーニグセグ、ピニンファリーナと電気自動車を中心とした提携を結んでおり、ポルシェが45%の株式を保有しているそうです。

さて、「ネヴァーラ」とその卓越した性能に話を戻しましょう。「ネヴァーラ」のパワーは、初代の「コンセプト・ワン」よりも1,073bhpから1,888bhpへと劇的に向上しています。これに全輪駆動と高度なローンチコントロールが加わったことで、0-60mphの速度は1.85秒という驚異的な速さを実現しています。ちなみに同社は、「ネヴァーラ」の0-100mph加速を4.3秒と主張しています。186mphは11.8秒、クォーターマイルは9.1秒で完走し、最大速度は258mphとなります。